20世紀最後の10年間はインターネットと携帯電話の発展を中心とする電子ネットワー クが大ブレークした時代として歴史に記されることでしょう.本学でも,1991年春 のUUCPでの電子メール交換の開始,92年春のIP対外接続と年度後半におけるFDDIキャ ンパス網の構築にはじまり,本年度末のG-YINS(Gigabit Yamanashi university Informations Network System)の完成にいたる顕著な進展がありました.
新世紀をむかえ,世紀末に膨れあがった「ネットバブル」がはじけたかの様相を呈 しています.確かに,何のためのITかという議論をさしおいて,ITの経済効果に対 する誇張された物語が語られ過ぎた時代でもありました.しかし,「インターネッ トはからっぽの洞窟」(クリフォード・ストールの著書名)といわれた90年代半ばか らみればインターネットの内実ははるかに充実してきています.これから,本当に 役立つITは何かという面からの選別の時代へと向かうのでしょう.
大学においても情報インフラはかなりの程度充実しました.これらを利用して,本 来の業務である教育,研究での活用と事務効率化の実をあげるソフトな面を重視し ていかなくてはなりません.本号で特集されている情報教育の実践および研究はそ の重要な柱です.
本号をまとめられた編集委員と著者のみなさんに感謝致しますとともに,収められ た研究報告がネットワークとコンピュータを利用する知的環境の発展に寄与するこ とを期待致します.