山梨大学電子シラバスの概要
塙 雅典
山梨大学 工学部
hanawa@es.yamanashi.ac.jp
1.はじめに |
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本学では近年のペーパレス化や情報公開の流れに対応すると共に学生の便宜を図るために平成14年度よりシラバスの全面電子化を実施した。本稿では、この山梨大学電子シラバスシステム(以下単に「本システム」という)の概要を紹介する。 |
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2.山梨大学電子シラバスシステムの開発の経緯 |
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本システムの開発の経緯は以下の通りである。 |
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3.電子シラバスシステムの構成 |
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本システムの構成は以下の通りである。 |
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4.シラバス閲覧システムの概要 |
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次に本システムの概要を紹介する。図
1は本システムのトップページであり、最も頻繁に利用されると考えられる学部生用ディレクトリが表示されている。ここから、共通科目・教育人間科学部・工学部の各々の科目分類、課程/コース、学科等の分類に従って科目が選択できると共に、大学院や特別専攻科の同様のディレクトリページ(図2参照)に移動できるようになっている。また、画面上部にはキーワード検索用のフォームが設けられており、科目名・担当教官名・講義のキーワードなどに対して全文検索で直接検索できるようになっている。さらに詳しく条件を指定して検索を行いたい場合には、「詳細検索」というリンクをたどることで詳細検索画面(図3)に移動して詳細な条件指定を行うことも可能である。
トップページからディレクトリを辿るか検索を実行すると、例えば図4のような授業科目リスト画面が表示される。ここには時間割番号・授業科目名・担当教官・(あれば)クラス指定・履修年次・開講学期・曜日・時限・単位数が一覧表示され、利用者が目的の科目のシラバスに容易に辿り付ける様に配慮されている。また絞込検索を行うための検索フォームが用意されており、任意のキーワードで絞込検索を行うことが可能である。図5は電気電子システム工学科内で「通信システム」をキーとして検索を行った例で、利用者が興味のある事柄を基に授業科目を容易に選択できることがわかる。もちろん詳細検索も可能で、特定曜日の特定時限の開講科目だけを抽出する等ということも可能である。
トップページからディレクトリを辿るか検索を実行すると、例えば図4のような授業科目リスト画面が表示される。ここには時間割番号・授業科目名・担当教官・(あれば)クラス指定・履修年次・開講学期・曜日・時限・単位数が一覧表示され、利用者が目的の科目のシラバスに容易に辿り付ける様に配慮されている。また絞込検索を行うための検索フォームが用意されており、任意のキーワードで絞込検索を行うことが可能である。図5は電気電子システム工学科内で「通信システム」をキーとして検索を行った例で、利用者が興味のある事柄を基に授業科目を容易に選択できることがわかる。もちろん詳細検索も可能で、特定曜日の特定時限の開講科目だけを抽出する等ということも可能である。
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5.シラバス管理システムの概要 |
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本システムには、単に各授業科目のシラバスデータをデータベースから読み出して表示するだけでなく、教務処理を補助するための様々な管理機能が組み込まれている。具体的には1)シラバス管理システムのユーザ管理、2) 追加・修正・削除・承認などのシラバスデータ管理、3)シラバスデータを学部・学科等の組織と対応付けるディレクトリデータ管理、4)印刷用シラバスデータ出力、5)シラバスデータベースの修正記録の保持である。ここではこれらの機能の概要について述べる。
図8は、管理メニューから「ユーザ管理」機能を選択したユーザ管理画面(左)とユーザ情報編集画面 (右)である。図8左のユーザ管理画面では条件を指定したユーザ情報の検索、新規ユーザ登録、既登録ユーザの一覧表示が行える。新規作成をするか特定のユーザ情報の編集を選択したときには、図8右のユーザ情報編集画面が表示される。各ユーザにはメールアドレスや内線番号などの連絡先情報に加え、編集可能レベルや承認・公開権限の有無などの属性が設定できる。現在編集レベルとしては共通科目・教育人間科学部・工学部の3つが用意されており、それぞれを編集可能なユーザ(共通科目・教育人間科学部・工学部)が登録されている。このようにしてシラバスデータを学部ごとに分割管理可能にすると共に、誤ったシラバスデータの編集を防ぐ安全確保も可能となっている。
シラバスデータの修正を行うには、所望のシラバスデータの編集権限を有するユーザでログインをした後に、所望のシラバスデータを検索、修正用フォーム上で修正を行う(図9)。修正フォームの末尾には開講/非開講区分の設定欄があり、隔年開講科目などに対応できるようになっている。また「更新」・「リセット」・「削除」の3つのボタンがあり、修正を行った場合には「更新」をクリックして登録する。「削除」ボタンをクリックした場合、一旦「削除予約」状態となり、システム管理者が「削除実行」をするまでは保存されるようになっている。これは通常のPCの「ゴミ箱」機能と同じ方法であり、誤操作によるデータの消失に対する保護策を提供している。
図9において「更新」をクリックした場合、登録を確認するダイアログボックスが出た後に図10左の画面が表示される。ここでは学部や学科、課程などのディレクトリ表示にシラバスデータを対応させるためのディレクトリデータの登録が可能となる。このディレクトリデータは通常は教務電算室の提供する時間割データベースより取得するため、ここで設定する必要は無い。
このようにして編集されたシラバスデータは「修正済み」という状態フラグを与えられる。状態フラグにはこれ以外にも「修正待ち」、「承認済み」、「公開済み」、「削除予約」があり処理に応じて変更される。この状態遷移図を図11に示す。各シラバスデータには上記フラグとは別に開講/非開講状態を表すフラグがあり、「公開済み」と「開講」フラグが立っているシラバスデータのみが公開される。これらの状態フラグは修正や承認処理における検索結果一覧に表示され、利用者が確認できるようになっている(図12)。
本システムの導入により基本的にシラバスデータはWWWブラウザで閲覧することになるが、新入生はWWWのブラウズができない可能性があるため、1年次前期の履修科目のみは印刷物を配布することになっている。さらに各年度のシラバスの保管用にも印刷機能が必要である。これに対処するために、本システムは印刷イメージ生成用エクセルファイルを出力する機能を有している。図7右の管理メニューより「シラバスデータ取得」をクリックすると図13左の取得条件指定画面が表示される。ここでは学科等の部門毎に一括取得するほか、検索条件を指定して特定の条件に一致するシラバスデータを抽出して取得することも可能である。検索結果一覧の例を図13右に示す。ここでは1)絞込検索、2)一覧表示されているシラバスの一括取得、3)科目毎のシラバスデータ取得ができる。
これまでに述べたシラバスデータ修正処理は全て記録が残されている。図16は修正記録閲覧画面の例である。各記録には実行者(ユーザ名)、接続元のIPアドレス、処理内容などが記録されており、万一の障害発生時にも原因特定に資することが可能である。
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6.山梨大学電子シラバスシステムの稼動状況
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本システムには稼動状況のモニタ用にMRTG(Multi Router Traffic Grapher)[9]を組み込んであり、常時システムの稼動状況の監視を行っている[10]。図17左にMRTGによる本システムの稼動概況を、図17右にWWWリクエストの履歴を示す。これらの記録より、1)
サーバのメモリやCPUの使用率は非常に低く、3.で述べたハードウェア構成は本システムにとって必要十分であること、2) 本システムへのアクセスが9月〜10月初頭(後期授業準備)、2月(シラバスデータ修正期間)、3月末〜4月初頭(前期授業準備)の3時期に集中していること、等が確認できる。
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7.おわりに |
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本稿では平成14年度より本格運用を開始した山梨大学電子シラバスシステムの開発の経緯、システム構成、概要、稼動状況について述べた。これまでの所、全く問題なく動作しているが、工学部シラバスのJABEE対応、山梨医科大との統合への対応、など今年度もさらなる大幅な改良が必要となることが予想され、本システムは今後ますますその重要性を増していくと考えられる。危機管理を含めた安定運用体制の確立が最優先課題であろう。
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参考文献 |
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