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玉穂キャンパスの情報システム概要

---- YMUnetの誕生と成長、そして融合 ----

総合分析実験センター 寺田 信幸



 玉穂キャンパスの情報システム環境について、これまでの経緯と本年1月に導入した新システムも含め現在の状況を紹介します。



1.YMUnetの誕生と成長
 (1)第1世代(平成6年度〜平成9年度)
 (2)第2世代(平成10年度〜平成12年度)
 (3)第3世代(平成13年度〜)

2.大学統合にともなうネットワークの融合

3.絵で見る玉穂キャンパスの情報システム

4.教育環境


1.YMUnetの誕生と成長

(1)第1世代(平成6年度〜平成9年度)

 平成5年度補正予算でキャンパス情報ネットワークが認められ、平成6年度よりFDDIを基幹(10Mbps)とした山梨医科大学キャンパス情報ネットワークYMUnetが本稼働しました。TRAIN経由でインターネットに接続(64Kbps)し、電子メール、電子掲示板、Webホームページ、文献検索システムなどのサービスを提供しました。この時から山梨大学情報処理センター(現総合情報処理センター)とのお付き合いが始まりました。  図書館も文献検索(medline)システムを中核に、LANを利用したシステム化を推進し、平成7年度末にはこれまでのオフコンによる蔵書管理システムからワークステーションによる新システムに更新されました。また、事務電算化も積極的に推進され、事務汎用コンピュターを平成7年3月に更新したのを機に各課・係がYMUnet接続され、各講座にも事務用端末が配付されました。附属病院も看護部、救急部、検査部、輸血部、手術部、放射線部、薬剤部などを接続するためのLAN敷設工事を平成8年3月に行い、5月より講座同様インターネットが利用できるようになりました。同年7月にはインターネット接続回線を1.5Mbpsに変更し高速化を図りました。

(2)第2世代(平成10年度〜平成12年度)

 平成10年4月、ネットワークを活用した統合的な情報システム化を推進するため、情報処理センターが学内措置されました。事務部門においても庶務課に情報処理係が新設されました。新臨床研究棟3階ネットワーク管理室に情報処理センターと庶務課情報処理係が同居し、一体となって大学全体の情報システム化を統合的に推進することになりました。組織としては命令系統も予算も別で互いに独立していますが、実質は一体化して大学全体のネットワーク管理から運用、保守、利用者サポートまで、教育、研究、事務の区別なく対応する環境が整いました。本学の教職員・学生であれば、だれでも、いつでも、どこでも、快適に情報通信ができる環境を目指し運用してきました。
 平成10年度に情報処理センターの機器設置予算も認められ、FDDI幹線も活かしつつ光ファイバー網を基幹としたファーストイーサネットワークへと変身させました。また、データ通信、音声通信ともに学内外とシームレスに接続されたPHS-無線LAN網も整備しました。これら通信基盤を活用し、共同利用施設、会議室、講義室などのネットワークによる予約システム、鍵管理システム、各講座等からの物品発注・予算管理システムや電子掲示板をイントラネットにより構築しました。各講座には、パソコン(Win & Mac)、ネットワークプリンター、モバイル端末を配布しイントラシステムの活用環境を整備しました。
 教育に関しても、先進的な情報システムを積極的に取り入れ、21世紀に対応できる医学教育を目指し、環境整備に努めてきました。学生が自主的に学習できる環境を提供するため、講義棟1階にネットワークに接続されたパソコンやプリンター、語学学習のためのビデオやテープレコーダなどを設置した教室を準備し、24時間学生に開放しています。管理は学生会・学生ネットワーク管理委員会が行い、学生の自主管理で運営されています。この自主学習室を整備するにあたって、機器の搬入からネットワークへの接続、端末のセットアップに至るまで、すべての準備は、学生の手によってなされました。また、主要な講義室にはすべてビデオプロジェクターとVOD端末を設置し、講義棟3階にはマルチメディア教材を活用した講義ができる教室も整備しました。
一方、インターネットをはじめとする情報化の波は日常の学生生活にも及んできていました。そこで、平成11年度より、学生全員にメールアドレスおよびネットワークアカウントを付与し、学内はもちろん学外からでもPHS、ISDN、一般電話回線を通じて大学のネットワーク環境が利用できる体制を整えました。これにより、学生も教職員同様、いつでも、どこでも、インターネット接続ができるうえ、大学が用意する学生用電子掲示板やWWWサーバを利用することができるようになりました。

(3)第3世代(平成13年度〜)

 平成12年度補正予算で、山梨医大キャンパス情報ネットワーク(平成5年度補正予算で措置)の更新予算が措置され、新世紀の幕開けに相応しいNew YMU-net(ギガビットネットワーク)が誕生しました。高品位画像・音声、動画を利用しての新たな研究、教育、医療の進展、さらには業務の合理化に寄与する事を目的として、情報量の拡大と情報機器の進展に対応し、膨大な情報を一度に大量かつ高速に送受信可能な環境を整備しました。大学統合を考慮した情報通信環境を整備する必要もあり、通信基盤整備が中心となりました。
主な整備項目は、1)ギガビットイーサ基幹ネットワークの構築、2)双方向遠隔授業・会議システムの構築、3)セキュリティシステムの強化、4)インターネットサービスシステムの更新、5)講義室の情報環境整備などです。最新のネットワーク制御技術を用いたLAN構築ができ、超高速で、セキュアーな、フレキシビリティの高い情報通信環境を提供することが可能となりました。
 平成14年度には、平成10年度に整備した情報処理センター設備の更新が認められたことから、前年整備したNew YMU-netを基盤にしてネットワーク環境のさらなる強化と教育環境の整備を中心に機器の更新を行いました。
 主な整備項目は、1)ネットワーク通信機器の更新、2)無線LAN環境の整備、3)情報教育設備の更新、4)学生用掲示板端末の更新、5)ネット会議システムの整備、6)講義室の情報環境整備などです。


2.大学統合にともなうネットワークの融合

 平成14年10月、旧山梨大学と旧山梨医科大学が統合し、山梨大学になりました。これまで別々の大学が一つの大学として活動して行くためには、様々な問題を解決していかなければなりません。両校のネットワークを有機的に結び情報ネットワークを問題解決の手段として活用することは重要であると考えられました。
 第3世代の情報通信環境の整備は、まさに大学統合を踏まえた取り組みとなりました。大学が統合する前に両校のネットワークはメインスイッチを介し1Gbpsで接続され、ネットワーク会議システムを稼動させました。総合情報処理センターとはYMUnet誕生以来のお付き合いですから、様々なすり合わせもスムースに進行しました。大学統合の調印式はこのネットワーク会議システムを使って行われました。現在、さらに拡充し遠隔講義、各種会議など様々な場面で活用されています。
 組織も旧山梨医科大学情報処理センターが山梨大学総合情報処理センター玉穂分室となり、それぞれの持つ良い所を生かしつつ一体となった活動が開始されています。まだドメインとしては、yamanashi.ac.jpとyamanashi-med.ac.jpが存在し、対外的には独立したネットワークとして存在していますが、統合ホームページ、統合メールサーバなど、融合に向けての歩みが始まりました。大学が統合した違和感が早く払拭されるためにも、情報ネットワークを有機的に融合させ互いのネットワークを意識させない環境を構築して行きたいと考えています。今後、常に最新の情報通信技術が導入され、教育、研究、診療、事務が効率的かつ効果的に行えるよう、大学全体として統合的な情報システム化が推進されて行くことでしょう。


3.絵で見る玉穂キャンパスの情報システム

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ネットワーク構成図(画像をクリックすると、拡大表示されます)

 無線LANは学内全域をカバーし、11M帯と54M帯の通信が可能でありWin、Mac両機種に対応している。WEPによる暗号化とSecureEdgeによりセキュリティを確保。SecureEdgeはアクセスを監視し、個人レベルで認証を行い、ユーザーの身分ごとに、アクセス制限を行う。


4.教育環境

一般講義室 :  液晶プロジェクター、講義用パソコン、OHC(書画カメラ)は標準装備。
講義棟2階の2教室には、受講生全員(100名)が使用できる情報コンセントと電源を用意してある。

情報科学教室

マルチメディア教室

臨床講堂 :  優れた音響と鮮明な画像を提供し、遠隔授業が常時可能な環境を整備してある。

第1自主学習室

第2自主学習室

学生用電子掲示板用端末 :  講義棟ロビーなど5ヶ所に設置

アウトプットセンター :  スライド作成装置、各種スキャナー、ポスタープリンターやビデオ編集装置などの教材作成機器を24時間いつでも利用可能。

遠隔医療センター :  遠隔医療に関する実験環境を整備し実用化に向けた様々な取り組みを行っている。




インターネット会議システム :  USBカメラとマイク、ブラウザがあればどこからでも会議に参加でき、資料の配布、共有ホワイトボードなどの機能がある。会議室は同時に複数開設可能で、会議の内容を録画し後から閲覧することもできる。
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