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ご挨拶


総合情報処理センター長&IT推進本部副本部長 岩沼宏治

早いもので平成17年度も終わりに近づき、今年も総情センター研究報告を刊行 する時期となりました。17年度は総合情報処理センターにとっても、盛り沢山 の1年でした。

17年度前半は、4月に施行された個人情報保護法への対応と、また近年、社会 的要請が強まっている情報セキュリティの強化に対応するために、山梨大学情 報セキュリティポリシーと同実施手順書の策定に追われておりました。何とか 策定し、数度の説明会や技術的講習会を開催致しました。また同時に17年4月 には、IT推進本部が横塚理事(副学長)を本部長とし発足し、その実務は総合 情報処理センターと情報推進課(これも4月に新たに発足)が合同で当たってき ております。IT推進本部の発足により、教員と学生の活動を支える教育研究用 システムと事務方が主に使う業務用システム、またそれらを支える学内高速ネッ トワークなどの学内の主要なシステムを、はじめて統括的に把握することが可 能になりました。また本部長との密接な打ち合わせ等を通して、学長先生を初 めとする大学上層部とのルートが確保され、IT推進の活動環境が大幅に改善さ れました。今後、情報セキュリティの強化、学内ITシステムの統合的かつ安定 的な運用、更にIT推進のための施策の立案と統一的かつ効率的な実現に努力し てゆきたいと考えおります。

平成17年度後半は、総情センターシステムの更新ための次期システム仕様策定 のための準備作業に追われました。今回のシステム更新の最大のテーマは、過 去2度にわたる補正予算によって(買取システムとして)導入整備、運用されて きた学内高速ネットワークのセンター次期システムへの組込みであり、そのた めの費用捻出のための既存システムの大幅な見直しにあります。学内ネットー ワークは、その基幹部分は1Gビット毎秒以上の速度を持ち、それを支える高性 能スイッチも甲府キャンパスだけで60台近く使用されています。事務用の専用 ネットワークも、VLAN 技術により物理的には同じネットワーク上で実現され ているため、この安定的な運用は昨今では、至上命題となっています。現行シ ステムは導入から数年が経とうしており、保守も難しくなりつつありますが、 新規ネットワークの導入は、優に1億数千万円を超える多額の費用が必要にな ります。そのために現行システムを見直して、利用効率の悪い部分や時代にそ ぐわなくなった部分を削り、その分でネットワークの導入費用を捻出する必要 があります。これまで学内ニーズの調査を行う傍ら、多方面の教職員の方々と 直接ヒアリンリグや打合せを行い、多くの皆様の御理解と御協力を頂きながら、 なんとか見直しを行っている最中であります。

平成17年度末には、改めて、大学におけるソフトウエア不正コピーの実態が、 著作権団体を代表とする一般社会から批判を集め、18年度は早急な対応が必要 となってきております。またこれまで大学の管理運営用の各種のITシステムは、 文部科学省が肩代りする形で費用負担して導入してきました。法人化に伴い、 これも今後は各大学が独自で代替システムを導入する必要があり、そのための 費用も多額にわたることから、これもIT推進本部の今後の大きな課題となって おります。

また一方で、平成17年度および18年度は、総情センターのスタッフの交替も多 く、いろいろな意味で過渡期にあるように思われます。総情センターおよび情 報推進課スタッフ一同、力を合わせて、乗り越えて行きたいと思っています。 大学関係の皆様方の御理解と御協力をお願い申し上げる次第であります。

最後に、今年も無事に研究報告が刊行される運びとなりましたこと、この場を お借り致しまして改めて、編集長の片野先生をはじめとする関係者の皆様に、 お礼を申し上げたいと存じます。



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