松本盆地の北半部(北城盆地?)から仁科三湖(木崎湖,中綱湖,青木湖)を経て南小谷に続く
低(凹)地帯に沿って活断層が走っています。神城盆地(姫川はこの盆地の南端から流れ出す)で
は,活断層は盆地東方に広がる低い丘陵・台地の麓を通り,西方にそびえる北アルプスの山々(人
気の高いスキー場が並ぶ)の下にはありません。
1995年11月初旬から中旬まで,神城盆地・堀之内地区において,地質調査所によって,この活
断層のトレンチ調査が行われました。
断層は,圃場整備によって削り取られた断層崖の真下(地下約3m)にあらわれました。断層は,
わずかに東傾斜(先端部はほとんど水平)した逆断層です。断層上盤側の粘土断層や腐植土層は,
西に向かって次第に大きく傾き(撓み),地下ではこの断層の下に巻き込まれ,断層に沿ってひき
ちぎられています。つまり土地の水平短縮が起こったことがわかります。断層崖の下には,この盆
地がつい最近まで湖沼だったことを思わせる湿地の堆積層(流木や植物化石を含んだ泥炭層)が厚
く積もっています。
この断層がいつ変位した(つまり地震を起こした)かを知るために,現在地層の年代を測るなど
して検討が行われています。この地域には西暦1714(正徳4)年に地震発生の記録がありますが,
この地震がこの神城断層の活動かどうかについても検討されています。
トレンチ現場の空撮は,八木浩司(防衛大学)さんによるものです
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調査結果は,まだ公表されておりませんので,以下の写真を使用されるときは,
地質調査所,奥村さんまでご連絡下さい。
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北壁面の枝断層の拡大,水平短縮約120cm(215k jpg)
南北壁面断層拡大,水平短縮約120cm(264k jpg )
地元新聞(信濃毎日)にも大きく報道,説明する奥村さん(495k jpg )