代表的な前置詞を覚えましょう。英語の前置詞に似ています。
ところでなぜ「前置詞」と言うかはご存知ですね。そうです。名詞の前に置かれるからです。前置詞のおかげで名詞を動詞などに関係づけることができるわけです。他動詞の場合は直接目的語をおくことができますから、前置詞は必要ありません。動詞との空間的位置関係が前置詞の機能をはたしているのです。ちなみに日本語の場合は「東京へ行く」「ごはんを食べる」のように、目的語は「へ」「を」などの助詞(つまり後置詞)により動詞に関係づけられています。
それから今までのまとめの問題もやってみましょう。少し難しいかもしれませんよ。
文法メモ
名詞と冠詞類フランス語の名詞には原則として冠詞がつきます。このことが日本人学習者には大事な点です。日本人から見ると冠詞には一見情報量がないように見えるのでつい等閑にしてしまうからです。1)不定冠詞と定冠詞
フランス人にとって冠詞は名詞の不可欠な構成要素です。ですから、彼らが名詞の性を間違えることはありません。みなさんも名詞を覚えるとき、ついでに冠詞をつけて覚えるようにしましょう。家は maison ではなく、une maison, la maison と覚えてください。
2)不定冠詞と部分冠詞
母音で始まる単数名詞に定冠詞がつく場合、le / la ともに l'... となります。 例:l'appartement > le appartement不定冠詞 定冠詞 単数(男性) un chapeau le chapeau 単数(女性) maison la maison 複数 des fruits les fruits 不定冠詞と定冠詞の使い分けは一筋縄ではゆきません。ここでは考え方の一つを手がかりとして示しておくだけにします。それは定冠詞が既知情報を示すのに対し、不定冠詞は未知情報を示すというものです。例えば、昔話の出だしに「あるところにおじいさんがいました。おじいさんは毎朝山へ出かけました。」というのがよくありますね。この日本語では最初の格助詞「が」は登場人物をはじめて提示するときの「 未知情報」というタグに当たるわけです。次の「は」は一度提示された情報を受けていることになり、「既知情報」のタグに相当します。この文をフランス語に直すとやはり、不定冠詞→定冠詞の順になります。
さしあたりは例文でどちらが使われているかに注目して自分で声に出してみてください。例えば、
- C'est une maison. C'est la maison de Paul.
- J'aime les fruits.
3)量を否定する冠詞 de不定冠詞に近いものに部分冠詞があります。両方をあわせて不定冠詞系とでも呼ぶべきかもしれません。続く名詞が数えられるか(可算名詞)数えられないか(不可算名詞 )によって使い分けます。これも日本語にはない考え方(世界観)ですね。世界を構成するモノが<数えられるモノ>と<数えられないモノ>の二大カテゴリーに分けられるなんて。もっとも、日本語にも<長いモノ><それほど大きくないモノ><飛び跳ねる動物><大きい動物>といった独特な論理による世界の分節方法があり、それを担う数え方としてそれぞれ(大根1)本、(消しゴム1)個、(カラス1)羽、(ゾウ1)頭などの接尾辞があるのですから、外国人の日本語学習者も大変なわけです。
母音で始まる名詞に部分冠詞がつく場合、du /de la ともに de l'... となります。
例:de l'argent >du argent不定冠詞 部分冠詞 単数(男性) un chapeau du vin 単数(女性) une maison de la glace 複数 des fruits
avoir をはじめとする多くの動詞で量が否定されるときに用いられます。4)定冠詞・指示形容詞・所有形容詞.
- Je n'ai pas de voiture.
- Il n'y a pas de voiture dans la maison.
- Je ne veux pas de boisson