補註:社会学者佐藤俊樹は『ノイマンの夢・近代の欲望』(1996年、講談社刊
)において、ここで述べたような、技術革新によって社会変動が引き起こされる可
能性に疑義を呈している。新しい情報世界はせいぜい既存の近代社会をより効率化
するだけであり、新しい社会は社会それ自体の変動によってのみもらたされるとい
う。しかし、これは佐藤が、現代日本にすでに「理解社会学的な」情報世界が十分
に構築されているという、ウェーバー的な前提に立つがゆえの予断ではなかろうか。
むしろここで述べたような新しい情報世界の出現によって、「プロテスタンティ
ズムなき」日本社会は、はじめて字義通りの意味での近代社会の入口に立ち得るの
ではなかろうか。
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