概 要千屋断層は秋田県東部,横手盆地東縁を走る
横手盆地東縁活断層系の一つであり,1896年
の陸羽地震(マグネチュード7.5)の際活動し,
千畑町一丈木で最大3.5mの上下変位を記録した。一丈木の南隣小森でトレンチ調査を行った。
千屋断層はこれまでの調査から第四紀後期に
おける平均変位速度が,0.8〜1.0m/千年で,
約3000〜4000年に一回の割合で明治地震と同
規模の地震が繰り返し発生していると考えられて
いる(nakata,1976および松田ほか,1980)。平野(1984)は明治地震の際活動した露頭
から14C年代試料を採取し,それらの測定結果
の解釈から明治地震以前の活動は約4400〜2700
年前であるとした。写真は地震断層崖とトレンチ調査地点を実体視することができる。