確実度の活断層は,尾根や谷などが系統的にずれたり,断層を挟
んだ両側にあったひと続きの地形が明瞭に切断されてできた断層変位
地形に変位の累積が確かめられる場合で,調査者間でもほとんど異論
のない(90%以上の確からしさ)ものである.
確実度は,活断層と推定されるもので,確実度氓ノ比べると断層
変位地形の証拠にやや乏しく,変位の累積などもやや不確かな場合(
50%〜90%程度)である.しかし,確実度の活断層には,今後調
査が進めば確実度氓ノなる可能性の断層が多く含まれている.
確実度。は,活断層の可能性はあるが,断層変位のむきが不明であ
ったり,断層以外の浸食作用などによって作られたという疑いのある
ものが含まれる(確からしさは50%以下).
このような判読基準をもつことによって,広い地域を複数の研究者
でも同じ精度で判読調査を行うことができる.しかし,確実度の分類
はあくまでも空中写真判読による活断層認定の一つの作業基準である
ことを強調しておきたい.したがって現地調査によって確実度。の活
断層が活断層でないと判断されることもあるし,確実な活断層と評価
されることもある.
また,確実度の分類は,活断層の活動度や活動周期の違いにも関わ
っている.断層変位地形は,断層が動くごとに成長するが,普段は侵
食・堆積作用によって削られたり埋められたりして刻一刻と変化して
いる.活動周期が長かったり,ある時期から活動しなくなった断層は,
断層変位地形も不明瞭になり,結果として確実度のランクが低く評価
される.このようなことから,数の上では圧倒的に多い確実度の低い
活断層の再評価を行うことも必要であろう.