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本稿では,National IXなどとは違った,Regional IXにおける各種問題点を明確
にし,その問題点を解決するためのモデルの提案を行った.RIP2を利用する事に
よる導入時の障壁の軽減,Layer 3での2重化による信頼性の確保,Route Server
およびRouting Registory Data Baseの導入により運用の自動化が行える
事を示した.また,Regional IXが技術的な存在ばかりでなく,社会活動にも影響を
与えるものであることにも言及した.
今後の課題として,以下のようなことがあげられる.
- Route Serverの検討
Y-NIXでは,Routing Arbiter ProjectのRSd v1.3を利用している.
現在は経路の供給と
フィルタ処理を行っているが,今後は経路のチェックや各地域IXで,
Routing Registory Data Baseが共有できないか検討する必要がある.
特にY-NIXでは,2重化された系のうちの1つを用いて,radix, zebra[18]
などのRoute Serverの利用を検証していきたい.
- 負荷分散
現在は,2重化されている系のうち,片側のみが利用されている.これを積極的
に利用して,負荷分散させる方法も考えられる.これを行うためには,Route Server
同士がそれぞれのセグメントのトラヒックのモニタを行い,協調して運用する
必要がある.
- 他の媒体との融合
CATVや無線LANなどのローカルな通信業者をシームレスに相互接続を
行う実験が検討されている.この中では,音声や画像などのデータのやりとりが
スムーズに行える環境も整えていく必要がある.
尚,Y-NIXに関する情報は下記から得ることができる.
謝辞:
本研究に際してはY-NIX参加ISPの技術者の方々から多くの
意見,協力を頂いている.
また,Y-NIXの設立および運営には山梨県の援助協力を受けている.
これら関係者の方々に深く感謝する.
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Kaz Yatsushiro
平成11年2月26日