特許権の始まり

モナ・リザの作者として有名なレオナルド・ダ・ヴィンチ (1452-1519 )は発明家としても有名です。彼のノートには潜水艦、機関銃、戦車、ヘリコプターなど現代にも通用する発明が沢山残されています。彼はなぜこのように多くの発明をしたのでしょう。実は、ダ・ヴィンチにはパトロンがいたのです。フランスとの戦争が絶えず、戦力の増強を必要としていたミラノのある貴族はダ・ヴィンチを雇い、新しい軍事技術の開発を彼に依頼しました。 この貴族はダ・ヴィンチの発明を適切に評価し、多くの褒賞を与えたのです。
これがダ・ヴィンチの発明意欲を刺激し、彼はさらに多くのものを発明したと言われています。

発明家の意欲をかきたてるには、ダ・ヴィンチのように褒賞を与える以外にも、発明した技術を一定期間独占させ、それによる利益を保証する方法もあります。
ベネチアでは1474年に技術独占の仕組みを世界最初の特許制度として始めました。この制度によって新しい発明が相次ぎ、イタリア・ルネッサンス (14世紀〜16世紀)の工芸・技術の発展に影響を与えたと言われています。


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