イギリスにおける特許制度の成功に刺激されて、ヨーロッパ各国で近代的な特許制度が相次いで整備されました。ところがある国で特許権が認められた技術であっても、他の国までは権利が及ばないことから、発明が自由に模倣されたのです。
これが大きな問題となったのは、1850年代にロンドンやパリで開かれた万国博覧会でした。博覧会の参加各国から、発明の権利が国際的に保証されなければ新しい技術を安心して出展できないとの意見があがりました。
この要求を受けて、特許権を国際的に保護するパリ条約が1883年に締結されました。