日本の状況

戦後の日本は、鉄鋼・自動車・電気などの製造業を中心に高度成長を遂げ、欧米と互角に競争できる経済大国となりました。 しかし、1985年のプラザ合意以降、急速に円高が進み、製造部門の海外移転やサービス業の増加など、産業構造の急激な変革が求められています。 特に、バブル経済破綻後の経済のグローバル化や製造業の空洞化現象は、70、80年代のアメリカの状況と似ています。
一方、日本の貿易黒字は1993年をピークに年々縮小傾向となっており、逆にサービス収支の赤字は増加しています。 その中で、技術貿易収支は毎年大幅な赤字であり、しかも輸入のほとんどがアメリカからとなっているのです。

なかでも、ビジネスソフトウェアの貿易収支は輸入が輸出の 100倍となっています。 このように、日本における知的財産の蓄積はアメリカに比べ格段に遅れていることから、政府は科学技術やソフト面での研究開発に対し、予算の拡大やさまざまな施策を推進しています。


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