活断層の性質/活断層の定義/活断層の分類/トレンチ調査


活断層の地震危険度評価

 活断層は将来も活動して地震を起こすが,過去にどのように繰り返し活動
(地震を起こ)したかを知ることによって,近い将来活動する可能性のある
要注意活断層なのか,安全な活断層なのかの見極めることができる.


要注意活断層かそうでないかの見分け方を示した図

 過去の地震の発生間隔(周期)をR,最後の地震から現在までの経過時間
をTとするとT/Rが1に近い活断層は,近い将来地震発生の可能性が高く要
注意断層であり,T/Rが1より小さい場合には安全な活断層と評価すること
ができる.

 A・BはともにRは同じであるが,AとBの違いは,Aは歴史代に活動した
 記録が無いがBは最近活動した.つまりAは最後の地震からの経過時間Tが
 大きい.
 C・Dはともに歴史時代に地震活動の記録をもつ.CとDの違いはRで,C
 は短いのに対してDは長い(もし,CとD地震の規模が同じならCはDに比
 べ活動度が高い).したがって上図からA〜Dの活断層の危険度は次のよう
 に評価される.

A・C活断層は,近い将来地震を起こす可能性の高く要注意活断層
B・D活断層は.近い将来地震を起こす可能性は低く安全な活断層

 このように,活断層の過去の活動の履歴を知ることが出来れば,その活断層の
地震危険度評価が可能となる.活動履歴は,トレンチ調査などによって知ること
ができる.