活断層の活動度は,平均変位速度(S)によって,つぎのように分けられている.
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A級活断層 : S ≧ 1m/千年
B級活断層 : 1m/千年 > S ≧ 0.1m/千年
C級活断層 : 0.1m/千年 > S
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活動度は,その断層が千年あたり何m動いたか,という平均変位速度の大
きさに基づいて,上のようにA級,B級,C級の三つにそれぞれランク分け
されている.平均変位速度を知るには,活断層沿いでいろいろな断層変位地
形を見つけ,その中から断層変位基準(もともとひと続きと考えられる地形
や地層)を探す.そして詳しい現地調査によって断層変位量を測り,その断
層変位基準の年代を調べる.断層変位量を,断層変位基準の年代で割ると平
均変位速度がわかる.例えば,1万年前の地形(地層)が20m変位していた
とすると,その断層の平均変位速度は2m/千年となり,A級の活断層になる.
2万年前の段丘が10mずれているのなら,その断層の平均変位速度は0.5m/
千年であり,B級活断層となる.
ここで注意しなければならないことは,例えばA級活断層で,2m/千年だ
からといって,その断層が必ず2mずつ動くと言うことではない.たとえば,
この活断層が1回に5m動くのなら,その間隔は,2千500年と言うことにな
る.このように活動度がわかると,その活断層の大まかな危険度は推定でき
るが,1回に動く量や何年毎に動くかを知り,その活断層はいつごろ地震を
起こしそうなのか,どのくらい動いてどのくらいの規模の地震が起こりそう
なのか,といった地震危険度を評価するにはトレンチ調査などのもっと詳し
い調査が必要である.